男子シングルスでは鈴木貴男(高木工業)、岩渕聡(ルネサンス)、本村剛一(北日本物産)、寺地貴弘(旅ポケドットコム)、石井弥起(ミキプルーン)と5人の歴代チャンピオンが顔を揃えた。当然のことながら実力は伯仲しており、優勝争いは混沌としている。
男子第1シードは、02年以来5年ぶりの出場となる鈴木貴男。先に行われたAIGオープンでは、世界の強豪にチャレンジする姿で観客から大きな声援を浴びた。しかし今大会では、他の選手からの挑戦を迎え撃つ形となる。その重圧をうまくコントロールできるか。持ち前のサーブ&ボレーが炸裂すれば優勝候補の筆頭であることは間違いない。
これに対抗するのが第2シードの添田豪(ミキプルーン)と第3シードの岩渕聡。近年は毎年優勝を期待されながらあと一歩のところで天皇杯を逃している添田。そろそろ結果が欲しいところだ。また、岩渕にとっては3連覇がかかる今大会。3連覇達成となれば、77〜79年の福井烈以来の快挙となる。歴史に名を残すことができるか。岩渕にとっても大きなチャレンジであることは間違いない。
女子シングルスの第1シードは中村藍子(ニッケ)。今大会で4年連続のトップシード。常に優勝候補の本命に挙げられる中村だが、過去準優勝2回と、全日本のタイトルに縁がない。今年こその思いは誰よりも強いだろう。タイトル奪取に向けて気迫のこもったプレーに注目が集まる。
注目は4年ぶりに出場する森上亜希子(ミキハウス)。第2シードとして大会初優勝を狙う。今年5月のチェコ、プラハオープンでは第6シードから念願のWTAツアー初優勝を飾った。03年に出場したときとはまた違う姿を見せてくれるだろう。フェド杯代表のチームメート、世界ランキングでも激しく競り合う中村と森上の初優勝をかけた争いは、今大会最大の焦点と言える。
ベテラン、実力者の久々の出場に注目が集まる今大会だが、将来のテニス界を担うティーンエージャーにも期待したいところ。男子では第8シードの伊藤竜馬(三和ホームサービス)と第9シードの杉田祐一(三菱電機)。女子では第3シードの森田あゆみ(キヤノン)とワイルドカードで出場の奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)あたりが活躍してくれれば、大会はいっそう盛り上がるだろう。
広報委員・フリーライター 成瀬悦朗