ワイルドカードで出場の奈良くるみ(大阪産業大学附属高校)が1番コート第1試合に登場、JTAランキング26位と格上の黒田祐加(クロスタニン)に挑んだ。「多くの観客がいて緊張した」と奈良自身が語ったとおり、スタンドは1回戦とは思えないほど多くの観衆。緊張からリズムをつかめない奈良は、序盤1−3とリードを許す。
しかし、第6ゲーム、黒田の連続ダブルフォールトにつけ込んだ奈良が反撃開始。「序盤は相手を見ている余裕はなかった。ただ、気持ちで引かないように心掛けて一球一球に集中したら、徐々に緊張が解けてきた」と振り返る奈良。本来の、相手を揺さぶるテニスが甦った。このゲームをブレークして3−3に追いつくと、さらに3ゲームを連取。第1セットを6−3で先取する。
第1セット終了後、腰痛のためメディカルタイムアウトを取った黒田。一旦はコートに戻ったが、状態は思わしくなく、第1ゲームが終わったところでリタイア。「9月に腰を痛め、先週まで練習ができなかった。相手が奈良選手ということで最後まで試合をしたかったが、残念だがやめることにした」と黒田。奈良が運にも恵まれ、全日本テニス選手権の1回戦を初めて突破した。
「去年までは自分自身のテニスの特徴をあまり理解していなかった。今年に入って海外での経験や世界スーパージュニアでの優勝が大きな自信になっている」と奈良。ジュニアと一般の違いに関しては「プロの世界は皆、真剣。メンタル面でもテクニック面でもレベルが違うが、やっていて楽しい」と話した。次の相手は前年の優勝者・高雄恵利加。奈良は「失うものは何もない。思い切ってプレーしたい」と抱負を述べた。注目の15歳がこの先どんなプレーを見せてくれるのか、期待は増すばかりだ。
広報委員・フリーライター 成瀬 悦朗