初戦の2回戦で“膿”を出し切ってしまったのだろうか。5年ぶりの全日本。初戦では、ワイルドカードの吉備雄也(早稲田大学)を相手にファイナルセット・タイブレークの苦戦を強いられた。タイブレーク7−5で辛くも勝利を収めた鈴木だったが、この日の3回戦は打って変わって完璧な出来だった。
岩見のサーブで始まった第1セットは、第2ゲームから鈴木が5ゲームを連取。このセットは6−2で鈴木が奪った。2回戦の吉備との試合で50%台だったファーストサーブの確率が、この試合では10%もアップした鈴木は、得意のサーブ&ボレーで気持ちよくポイントを重ねていく。
第2セットに入っても、鈴木のテニスに乱れはなかった。岩見がときおりパスでウイナーを奪いはするものの、相手を崩すところまではいかない。第2セットも鈴木が先にブレーク。5−3からの第9ゲームでも、岩見のサーブを苦もなくブレークし、鈴木がベスト8進出を決めた。
「2回戦とは違い、ファーストサーブもエースを狙ったうえで、確率もよくなっていたので、自分のサービスゲームに自信を持って試合を進めることができた。集中しながらも、自分のテニスや相手のテニスを楽しめた。リラックスと真剣さがうまくかみあったと思う」と試合後のコメントにも余裕が溢れていた。
96年、97年に連覇を果たしている鈴木は、優勝の経験があるからこそ、違うチャレンジの仕方で優勝を目指したいと語った。準々決勝は、同じく2度の優勝経験を持つ寺地との対戦。小春日和が続く有明が、さらにヒートアップしそうだ。
酒井 朋子