新井は04年の準優勝者(パートナーは手塚玲美)、米村は02年に準優勝している(パートナーは飯島久美子)。両選手とも、何度も上位に進出しながらタイトルに手が届かない。新井の「一生、縁がないかな、という気持ちもあった」という言葉は実感だろう。
「取れそうで取れない」(新井)タイトル、のどから手が出るほどほしいタイトル。ただ、これまではその思いがかえって足かせになっていた。「毎年、優勝しようと気合いを入れすぎて、自分にもパートナーにもプレッシャーをかけてしまった」と新井。その経験から今回は「お互いの良さを引き出せば上位が狙える」と自然体で臨んだ。
ペアを組むことを決めたのは3カ月前。だが、その後、二人で出た大会はほどんど1回戦負けだった。試合後の会見で米村は「負けたことが(今回の)勝因」と、味なことを言った。「負けて、どんな陣形をとらなくてはいけないとか話し合うことができた。それが勝因です」。もともと両選手ともダブルスの技術は高い。そこに経験が加わった。全日本という舞台での経験、個人戦でのダブルスの経験、そうしてしっかり練り上げたダブルスだ。機が熟した、と言うべきだろう。これまでは、届きそうで届かなかったタイトルだった。しかし、今回は“取るべくして取った”タイトルと言えそうだ。
広報委員・フリーライター 秋山 英宏